チェリストの最期の恋

私のチェロの師匠のお話です。http://www.ejgold.org/

彼女は、プロのチェリストでした。もう、引退して10年になるでしょうか。73歳の老婦人とは、いえ、とても上品なシルバーの髪で、いつも、シャネルのいい香りが、します。

ある日、「実は、長い間、別居していた夫が、なくなりましたの。」と彼女は、淡々と語り始めました。「実は、私、彼とは、一緒には、いられなかったの。ほんとうに好きな方が、いたから。彼は、中学生の頃から、私が、大好きだった人なの。彼も、きっと‥と思って、生きてきたのよ。その間、私は、結婚して、子供も二人産んだわ。そして、育てた。それでもやっぱり、中学生の頃から、好きだった彼が、好きなの。」私は、言葉が、出ませんでした。なんて、言えばいいのかわからなかったのです。

そして、何年か経ったある日、彼女は、高揚させた笑顔で、私に言ったのです。

「驚かないで。彼から連絡が、あったの。そして、私達、会ったのよ。私も彼も、もう十分、愛し合うための力を授かっていたのよ。私は、とても幸せよ。」と。

彼は、結婚して、二人のお子さんが、いらっしゃったそうです。が、二人とももう独立されていたそうです。そして、何年か前に、奥様が、癌で先立たれたそうです。それは、とても、よくみておあげになったそうです。そして、彼も、中学生の頃から、彼女のことを思い続けてきたことを話されたそうです。が、そのときは、結ばれなかった二人。今、もう一度、スタート地点に立った二人。長い時を埋めるように、愛を育んでいるのです。恋愛には、歳など、関係ないのです。人が、人を愛するということは、素晴らしいことです。

ご高齢の素敵な恋愛です。お幸せに。

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